『介護保険制度』で厚生労働省が意見を募集
 厚生労働省が介護保険制度に関する国民の声を募集している。「介護保険制度に関する国民の皆さんからの意見募集」としてホームページに掲載、3月末が締め切りだ。
http://www.mhlw.go.jp:80/public/bosyuu/iken/p100219-1.html
介護保険制度は10年目を迎え、2012年には診療報酬との同時改定であることから大きな見直しが予測されている。募集する意見は選択式の設問で、介護保険制度への評価、各サービスへの要望と今後の介護保険制度への意見など。介護職員の不足が2009年改定の大きなテーマであったことから、介護職に対する「イメージ」や「就労意向」を聞く設問もある。注目されるのは今後の給付と負担についての意見を聞く項目で「現在の給付水準を維持する場合でも、保険料は現行の2倍近くになる」と断った上で、どうしたいかを聞いている。しかし回答の選択肢には、「軽度の方は保険ではなく自費でサービスを利用すべき」という項目もあり、さらに選択肢の中には「その他」や「自由記入」がないため回答する側にとっては答えに詰まるかもしれない。とはいえ、国民の意見を出せる機会は決して多くはない。多くの声が集まることを期待したい。なお意見はメールのほか郵送、ファックスでも受け付けている。
| ひろこの「400字」の介護保険 | 10:02 | comments(0) | trackbacks(0)
平成22年度診療報酬改定案において地域連携の評価が拡大
2月12日に開催された中央社会保険医療協議会総会で、平成22年度診療報酬改定が諮問された。介護との連携では、在宅復帰後を見越した地域連携の評価が拡大される。
新たに「地域連携診療計画退院計画加算」「介護支援連携指導料」他が加わることになる。退院計画加算は、退院後の診療計画を文書で療養を行う医療機関や介護サービス事業所に提供した場合に加算されるもので、介護支援連携指導料は、入院中の医療機関の医師又は医師の指示を受けた看護師・薬剤師・理学療法士、社会福祉士等が、入院中の患者の同意を得て、居宅介護支援事業者等の介護支援専門員と退院後に利用可能な介護サービス等について共同して指導を行った場合に、入院中2回に限り算定する。これにより退院後の在宅復帰にかかわる地域連携強化が期待される。
| 知っておきたい介護のニュース | 07:53 | comments(0) | trackbacks(0)
介護職の待遇がやや改善
 介護に従事する人たちの給与に関する速報値がまとめられた。2009年の介護報酬改定を受けて、厚生労働省が全国調査したもので、報酬改定前と後とでは平均9.058円の増加だった。介護職員の待遇改善のため09年は初めて介護報酬が引き上げられたが、報酬改定が職員の待遇につながったかを見るために実施された調査で、対象は全国7141の施設・事業所。月額平均給与は2008年9月が222,308円に対して、昨年9月は231,366円となった。これは施設、在宅、看護職員、ケアマネジャー、ホームヘルパーらを含んだもので、事業所別では最も増加したのは特別養護老人ホームで12,052円で、最も少ないのは訪問介護事業所で5,868円であった。ケアマネジャーは305,154円から315,006円と9,852円増加した。なお、この平均金額には手当てや賞与の一部も含まれており、また常勤・非常勤、月給、日給、時給も合算しているため、分析し最終結果は後日発表される。
関連質問では、09年の報酬改定を踏まえて給与を引き上げたと回答した施設・事業所は23.4%で、介護報酬改定に係らず引き上げたところは21.0%、引き上げはせず今後も予定がないと回答したところも13.1%あり、とくにケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所では「引き上げ予定なし」の回答が2割を超えていた。
| ひろこの「400字」の介護保険 | 09:20 | comments(0) | trackbacks(0)
年頭にあたって 〜介護保険制度の今後について〜
明けましておめでとうございます。
介護保険制度が始まって、早や10年が経とうとしています。要介護者数は制度開始前の予想よりも速いペースで増加し、介護サービスのご購入者である要介護者マーケットは確実に拡大してきました。さらに今後も520万人程度まで拡大することは確実視されています。(現在は390万人) ところが、サービス提供者である介護事業者(特に在宅介護事業者)は制度改定や報酬見直し等により、むしろ経営環境が悪化し、スリム化を余儀なくされたところも決して少なくありません。2009年度の報酬アップもその多くが「一定以上の規模」が無いと加算されないファンドに充てられました。筆者は予防給付ができた主旨は、いずれ介護保険制度から切り離されるステップとも見ていたくらいです。
 昨年は選挙というイベントもあり、介護に携わる者の処遇改善に世の中の目が向いた年でもありました。できることなら今後の政権には、要介護者への給付水準も介護事業者の報酬体系も、プラスの方向を維持して欲しいものです。筆者は過去にも同様の主旨のことを述べていますが、年頭に当たって「社会保障制度の充実とそのための国民負担の合意取り付け」の大切さを繰り返したいと思います。

ポイントは国として「財源をどう確保するか」、もっと言えば「国民負担率(税負担と社会保険料負担の国民所得に対する割合)」議論をきちんとするべきであるということです。これまで政府は高齢化が最高点に達しても国民負担率は50%に抑えることを目標にしてきていますが、その過程が今の姿(予算に合わせて年金も医療も介護も一人当たりを縮減してきた)と言えるでしょう。
 筆者は、要介護者ご本人・ご家族、現場で介護に携わる人間にとつて『これ以上給付水準が下がることはもはや耐えられない。新たな財源確保がなされなければ、要支援が介護保険から切り離されることも想像に難くない。また介護職の待遇向上も掛け声だけに終わる恐れは多い。』と考えてきました。国は、福祉目的税を含めて、国民に対して「このくらいの(税)負担増/国民負担率ならこのこらいの給付(介護、医療、年金)」「もう少し上げてこのくらいなら・・・」「現状なら・・・」という具合に想定できる負担と給付の国民負担率モデルを示すべきです。そのうえで、国民が自助努力重視型の福祉を選ぶなら仕方ありませんが、これまでは「なんとか財源に併せて給付を合わせようとしている」姿しか見えて来ませんでした。もっとも、お役人が財源を増やす手立てを講ずるのは難しいので、財源確保/望ましい国民負担率の合意形成は、まさに政治的課題でしょう。『官僚主導から政治主導へ』という流れはどの政党が政権を取るかに関わらず、今後の社会保障制度に手を入れるためには必然のことだと思います。国会の場だけでなく、テレビなど茶の間でも見えるところで、国民負担率議論が活発になされていくことを切に望みます。もちろん安易な増税には反対で、「事業仕分け」や「使い道限定」などの『無駄減らし』と車の両輪で議論が進んで行くことを望んでいます。以下に先進国の2005年(日本は2007年)の国民負担率を揚げておきます。

日本40.1% スウェーデン 70.7% フランス 62.2% ドイツ 51.7% イギリス 48.3% アメリカ 34.5%
| 介護保険制度を考える | 11:04 | comments(0) | trackbacks(0)
高齢者虐待調査について
厚生労働省は、『平成20年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果』を発表した。
○世話をしている家族等によるもの(通報・相談)は21,692件であり、前年度より1,721件(8.6%)増加した。また、施設職員や居宅サービス従事者によるもの(通報・相談)は451件であり、前年度より72件(19.0%)増加した。
○世話をしている家族等によるものの通報者の第一位はケアマネジャー(43.8%)であり、その役割の重要性が確認できた。一方、施設職員や居宅サービス従事者によるものの通報者は家族・親族が34.6%で最も多く、次いで当該事業所職員25.7%であった。
○虐待の種別・類型では、「身体的虐待」が最も多く74.3%、次いで「心理的虐待」30.0%、「介護等放棄」5.7%であった(重複あり)。被虐待高齢者は、女性が70.2%を占め、年齢は80歳代が54.8%であった。要介護度は3以上が67.2%を占めた。

筆者は研修等で常々話していますが、介護する側の「無意識下の尊厳・プライバシー侵害」は数字に表せないほど多く存在するはずです。それらを防ぐには高齢者の心身の特徴や認知症の知識、また対象者の生きてきた年代・世相、人生への想い・趣味などを知る努力が必要です。もちろん個々人の努力だけに頼るのでなく、事業所としての教育も継続して行う必要があります。
(文責:榎本三千雄)
| 知っておきたい介護のニュース | 10:25 | comments(0) | trackbacks(0)